Mrs. Serial Killer

 ファラー・カーンといえば、有能なコレオグラファーであり、「Om Shanti Om」(2007年/邦題:恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム)などのヒット作を持つ売れっ子監督でもある。だが、彼女の夫であり、監督のシリ...

Viceroy’s House

 ロンドン在住のグリンダル・チャッダー監督と言えば、カナダのトロント在住ディーパー・メヘター監督、米国ニューヨーク在住のミーラー・ナーイル監督と並んで、海外在住インド人女性監督三傑の一人に数えられる。それぞれ異なる作風を...

Behen Hogi Teri

 8月頃にラクシャーバンダンという、兄妹の契りを確認する伝統行事がある。この日、女性は自分の兄弟の手首にラーキーと呼ばれるミサンガのような紐を巻き、ラーキーを巻かれた男性は、その女性を守ることを誓う。それだけ聞くと美しい...

Rang Rasiya

 インドの街角ではよく神様ポスターが売られているのを目にする。安価に手に入る神様ポスターは家や職場などに飾られ、信仰されている。そのポスターのおかげで、今や神様の姿は容易に目にすることができるようになったが、これが登場す...

Entertainment

 インドでは映画は何よりもまず先に娯楽のためのものであり、娯楽の中心は笑いである。インド映画にはコメディー映画の長い伝統があり、人々に愛されている。僕はコメディーをインド映画の真髄と考えている。しかしながら、コメディーは...

Humshakals

 インド映画において、「ダブルロール」と呼ばれる、いわゆる一人二役は、映画を面白くするギミックとして、また話題作りとして、好んで用いられて来た手法である。往年の名優と呼ばれる人たちは、キャリアの中で必ず1回は一人二役を演...

One by Two

 インド映画に限らず、古今東西のロマンス映画は、男女が出会って物語が始まる。かつて、インドのロマンス映画では、一目惚れから物語が始まり、何らかの障害に直面しながらも、それを乗り越え、いかに結婚まで辿り着くかという筋書きに...

Phata Poster Nikla Hero

 21世紀に入り、ヒンディー語映画界は新たな段階に入った。それを牽引するのは、若い映画監督やかつて芸術映画を撮っていた人々である。その一方で、90年代の娯楽映画を担っていた監督にとっては生きにくい時代になって来ているよう...

Commando: A One Man Army

 ヒンディー語映画界は21世紀に入ると都市在住マルチプレックス層の観客をメインターゲットと定めるようになり、地方在住単館層の観客が好むアクション映画を敬遠するようになった。しばらくまともなアクション映画が作られない時代が...

Joker

 ヒンディー語映画界のスーパースター、シャールク・カーンは、コレオグラファーから映画監督に転身したファラー・カーンと共に「Main Hoon Na」(2004年)と「Om Shanti Om」(2007年)の2本を世に送...

Rowdy Rathore

 ヒンディー語映画界では近年南インドで大ヒットしたアクション映画のリメイクが流行しており、その内のいくつかは成功している。そのトレンドを生み出すきっかけになった作品の内のひとつがサルマーン・カーン主演の「Wanted」(...

Aarakshan

 時々、「インドでは憲法上カースト制度は禁止されている」とされることが多いが、それは誤りである。インド憲法第3部(第15-16条)「宗教、人種、カースト、性別、出身地に基づく差別の禁止」においてカースト差別が禁じられてい...