Sonu Ke Titu Ki Sweety

4.0

 インド映画の世界には、固い友情で結ばれた不朽の男性コンビやトリオがいくつか存在する。いわゆるバディー・フィルムであるが、もっとも代表的なのは「Sholay」(1975年)のジャイとヴィールー(アミターブ・バッチャンとダルメーンドラ)である。他にも、「Dostana」(2008年)、「3 Idiots」(2009年)、「Zindagi Na Milegi Dobara」(2011年)など、いくつかの例を挙げることができる。2018年2月23日公開の「Sonu Ke Titu Ki Sweety(ソーヌーのティートゥーのスイーティー」もバディー・フィルムの一種と言える。だが、とてもユニークな三角関係を題材にした映画だ。

 監督はラヴ・ランジャン。「Pyaar Ka Punchnama」(2011年)などで知られる監督である。主演は、カールティク・アーリヤン、サニー・スィン、ヌスラト・バルチャーの3人。他に、イシター・ラージ・シャルマー、アーローク・ナート、ヴィーレーンドラ・サクセーナーなどが出演している。

 舞台はデリー。ソーヌー(カールティク・アーリヤン)とティートゥー(サニー・スィン)は幼馴染みの親友で、ソーヌーの母親が亡くなってからは一緒に暮らして来た家族のような存在だった。弱気な性格だったティートゥーをソーヌーは守って来たという自負があった。

 ある日、ティートゥーがお見合いをすることになり、スイーティー(ヌスラト・バルチャー)との縁談がまとまる。ソーヌーはスイーティーがあまりに完璧すぎる女性であることに不信感を感じ、あの手この手でこの縁談を破談にさせようと画策する。だが、スイーティーの方が一枚上手で、あろうことかソーヌーに対し挑戦までして来た。その挑戦を受けて立ったソーヌーは、結婚式の直前にティートゥーを「バチャラーズ・パーティー」と称してアムステルダムに連れ出し、そこで昔の恋人ピーフー(イシター・ラージ・シャルマー)と故意に再会させる。ソーヌーはピーフーを結婚式にも招待する。

 結婚式の日が来た。結婚式の会場では、ティートゥーを巡って、スイーティーとソーヌーが火花を散らし合っていた。このような物語である。 

 普通、男性2人、女性1人の三角関係では、男性2人が女性1人を取り合うことになる。だが、「Sonu Ke Titu Ki Sweety」では、1人の男性(ティートゥー)を巡って、男性(ソーヌー)と女性(スイーティー)がバトルをするという、変わった構成となっていた。とは言っても、ソーヌーとティートゥーの仲がゲイの粋まで達しているかというと、そういう訳ではない。少なくとも劇中ではそのような明示はなかった。だが、ソーヌーのティートゥーに対する異常な独占欲は、この映画をLGBT映画にカテゴライズできるレベルに達している。

 映画全体を支配していたのはスイーティーの強烈なキャラだ。表向きは完璧な女性。結婚相手の家族からも最高に受けがいい。だが、ソーヌーが直感していた通り、本性はかなり切れ者で豪胆な女性であった。ソーヌーを手のひらで転がし、彼からティートゥーを奪い取ろうとする。ソーヌーとティートゥーのバトルは見ていてとても面白かったのだが、そもそも分からなかったのは、なぜスイーティーがそこまでティートゥーとの結婚に執念を燃やしたかだ。確かにティートゥーの家族は成功したハルワーイー(菓子屋)で、裕福な生活を送っていた。だが、彼女が、金が目的でティートゥーと結婚しようとしているようには見えなかった。この辺りがもう少し丁寧に描かれていれば、もっとストーリーに入り込みやすかった。

 前半と後半で、別の監督が撮っているのではないかと思うほど、作りに違いがあった。前半は、家の中での撮影が多く、予算を抑えて作られているように感じた。しかも編集が下手で、ストーリーが所々で飛んでいるようにも感じた。だが、ソーヌーとスイーティーの争いが本格化する後半からは、作りが急に豪華になり、ストーリーに俄然グリップ力が出て来る。「Dil Chori」、「Kaun Nachdi」、そしてエンドクレジットの「Chhote Chhote Peg」など、豪華なダンスシーンも後半に固まっていた。よって、見所は後半に集中していると言っていい。

 言葉は基本的にヒンディー語だが、登場人物のほとんどはパンジャービーであり、パンジャーブ文化の色濃い映画であった。全くテイストは異なるが、パンジャービー・スタイルの結婚式を背景にして進むストーリーは、「Monsoon Wedding」(2001年)とも通じるものがあった。

 「Sonu Ke Titu Ki Sweety」は、男の友情と男女の恋愛がガチンコでぶつかり合うバディー映画。ロマンス映画を突き詰めるラヴ・ランジャン監督ならではのストーリー展開が面白い。特にそのバトルが白熱する後半に見所が集中している。カールティク・アーリヤン、サニー・スィン、ヌスラト・バルチャー、イシター・ラージ・シャルマーなど、ランジャン映画で人気となった若手俳優たちの共演にも注目である。